〈シェルターで終生の家族を待っていた頃のたんぽぽ〉
東京都心・千代田区のオフィス街にひっそりと佇む居住用ビルで10数年に渡って放し飼い多頭飼育が行われていた場所があります。
ガレージに猫ベッド、フード&ウオーターボール、爪とぎ、おもちゃが置かれていて、トイレは置いていない。母猫が子猫を育てるのを見ていると心が安らぐ、とのことでした。
すべて自分の猫として飼っている、と所有権を主張することもありますが、子猫が生後7,8か月になって子猫らしくなくなると、連れて行っても良いと言う。
過去には千代田保健所とちよだニャンとなる会が足しげく通い、去勢・不妊手術について話し合った時期も。
しかし、猫の所有権と適正飼育についての話し合いというのは難しいものですね。確かに、完全室内飼育も去勢・不妊手術も、法律や条例で定められているわけではありません。
その場所で大きな動きがあったのは、昨年のことです。
新聞の死亡欄で当主が亡くなったことを知りました。そして、当主の代理人から千代田保健所に連絡が来たのです。
「残された親族は転居する。猫はみんなちよだニャンとなる会が引き取ってほしい」。
私たちは便利屋ではありません、という言葉をのみこみ、猫を保護することになったのでした。
〈 保護される直前のたんぽぽ 〉
たんぽぽちゃんは、そうして保護された猫たちの1頭です。男の子、推定9歳。
保健所とちよだニャンとなる会で去勢手術を行っていたので、耳先カットあり。
昨年7月に動物病院を退院してから東京シェルターシェアリング神田神保町で過ごしていましたが、人も猫も苦手。心を閉ざしているかのように無表情のままうつうつと過ごしていました。
たんぽぽちゃんという仮の名前を付けたのも、花言葉が「真心の愛」「幸せ」だったから。
今度こそ、完全室内飼育で、愛情と責任感を持って、適正なケアと健康管理を実行してくれる家族を見つけよう。私たちはそう心に決めていました。
〈 シェルターのキャットBOXにこもるたんぽぽ 〉
最近では、たんぽぽちゃんもシェルターの環境と他の保護猫たちにもスタッフたちにも馴れて来て、そろそろ良い出会いがあるかも、と思っていたら…それは今月の「オープンシェルター保護猫譲渡会」の日でした。
「猫と暮らすために都内の新築分譲マンションに引っ越しました。ぜひたんぽぽちゃんを迎えたい」という女性が現われたのです。いろいろお話したら、条件も申し分ありません。 そして先日、たんぽぽちゃんを終生の家族の元にお届けしました!
これからたんぽぽちゃんはお家の中で安全・快適に過ごし、愛情を一身に受けて暮らします。お名前は、仮称のまま、たんぽぽちゃん。もうお友だちには「ぽぽち」「ぽぽちゃん」など、いろいろな愛称で呼ばれているようです。
たんぽぽちゃん、最高のご縁に恵まれて、本当に良かった。
======================================================
あなたのご支援を必要としている保護猫たちがいます。
保護した猫たちにはまず、ワクチン接種やウイルス検査、不妊・去勢手術、寄生虫駆虫等、適切な医療処置が必要です。
なかには治療が必要な大怪我を負っていたり、大病を患っている猫もいます。その間の動物病院の入院費や、退院後に猫たちが過ごすシェルターの維持費もかかります。
私たちの活動を一緒に支えてくださるサポーターを大募集しています。
少しでもやさしい社会のために、お力添えをどうかよろしくお願い申し上げます。
ご支援はこちらのリンクから⇩⇩⇩
ちよだニャンとなる会を支援したい | 千代田区 | 猫 | 特定非営利活動法人ちよだニャンとなる会 (chiyoda-nyan.org)
======================================================
〈 新しい猫生を歩み始めたたんぽぽ 〉