7月27日に千代田区神田東M下町の住民が捕獲器で保護した高齢の地域猫、雨美(うみ)ちゃんは、先日、退院して、東京都人と動物のきずな福祉協会が運営する東京シェルター・シェアリング神田神保町入所しました。
雨美ちゃんは、推定10歳過ぎ。病院に搬入された時は、次のような状態でした。
長毛ミックスのため、毛玉だらけでフェルト状に固まり、そこがノミの巣窟になっていた。口腔内は、左上の犬歯と奥歯が左右1本ずつくらい残っているのみで、ほとんど「歯なし」。 右上の犬歯と奥歯の一部は根から折れてしまったようで、穴の中に歯のカケラが残っていて、炎症が見られ、感染症が広がる恐れがあった。
慢性腎臓病があり、右の腎臓は萎縮していびつな形をしている。貧血あり。まず点滴をスタートして、腎機能等の状態をみつつ、麻酔を使えると判断されたため、全身麻酔下で8月5日に毛刈り。
口腔内は、残っていたグラグラの歯を抜き、歯茎に残っていた歯のカケラを摘出。 ウイルスと便の検査で陰性を確認し、ワクチンとマイクロチップ、抜糸後も問題がないことを確認して、シェルターに入所したのでした。
ちなみに、相談者が雨美ちゃんと出会って食べ物を与えるようになったのはその1か月ほど前。ご自宅には闘病中の猫がいて、雨美ちゃんを引き取ることはできないとのことでした。
千代田区で行政とボランティアが連携協働してTNR(一時捕獲・去勢不妊手術・元の場所に戻す)を始めてから24年。 当時から「千代田区では行政が主導して行なっている事業なので、地域猫活動という言葉は使いません」と職員さんたちは言っていました。
しかし、千代田区は例外とされ、他区市町村そして東京都も「地域猫活動」を推奨。地域住民が主導して問題を解決するように、猫は2,3年から4,5年で死んでいく、最期は食べ物を与えていた人が家に入れるだろう、というような話でした。
が、これは行政にとって問題を先送りするだけだったかもしれません。
去勢・不妊手術が推進されたことは素晴らしい。 ですが、そもそも猫は移動する。その猫に手術を行ない、食べ物を与え始めた人がずっと転居しないでお世話することも考えにくい。 猫が外の過酷な環境で10歳を超えて生きのび、悲惨な状態で保護せざるを得なくなった時にどうするか。国・自治体をあげて考えるべき問題ではないでしょうか。
※写真1枚目、2枚目はシェルターでの様子。3枚目は保護前。毛玉だらけの姿でした。
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