千代田区内のO姫稲荷神社の猫が怪我を負っているとの通報が寄せられたのは数週間前のことでした。
写真を撮って送ってもらったら、キジサビ猫で背中のやや右側に深手を負っていることがわかりました。
こちらの神社では、20年ほど前には30頭ほどの猫がいましたが、最近では当該の猫1頭が暮らしているだけ。時々、キジ白の猫が復活大聖堂から坂を下りて来て現れるとのこと。
神社でいつも食べ物を与えている人たちのうちの5人に聞き取りをしたところ、キジ白の猫に襲われたとの意見もありましたが、私たちは、猫同士でここまで大怪我を負わせることはまずない、ハクビシンに襲われたのではないかと考えました。
一昨年、ホテルN.O.の庭園で暮らす最後の猫たちのうち3頭がハクビシンに襲われ、こちらに相談が寄せられた時は意識のない状態で、病院に運んでも、助かりませんでした。
このキジサビの猫さん(ある人は福ちゃん、ある人は姫ちゃんと呼んでいます)も、早く動物病院に運んで治療してもらわなければ命を落としてしまうだろうと考えました。
食べ物を与えている人たちにはなでられる猫ちゃんですが、私たちがそばに寄っても、うつらうつらして、呼吸が早く見え、発熱?感染?大きな深い傷口が見えて、心配は募るばかり。
ところが、みなさんに食べ物を止めるようお願いして捕獲器を設置しても、キジサビ猫さんは警戒して入ってくれません。スケルトン捕獲器がいい、ドロップ式捕獲器を使ってみよう、最後はたも網で行こう、ということでいよいよたも網を決行!
いちばん猫がなついている人に立ち会ってもらい、こちらも3人がかりでたも網に追い込んだのでした!!
これで失敗したら、この子は助からないだろうと、執念のたも網でした。
翌日朝いちばんで、保健所が車を出して動物病院に搬送してくれています。
初診のカルテと獣医さんの説明によれば、姫ちゃんは、推定10歳の女の子。耳先カットありの不妊手術済み。
体重4.2kgと栄養状態はGood。
ですが、やはり39.4度と発熱がみられ、血液検査でもグロブリンの数値が高く、感染症と闘っているようです。
検査の他、患部の消毒、抗生剤投与等の治療が行われています。大事に至る前に無事に保護できて良かったです。